劇団M.O.P.『リボルバー』@紀伊国屋劇場
セミファイナルを迎えたM.O.P.、
実は私は去年の『阿片と拳銃』に続いて二度目の観劇。
もともと興味はあったものの、なかなか手が出なかったのだが
『俺達は志士じゃない』の再々演でのマキノ氏の演出に惚れてしまい
去年初めて観に行ったら、なんと3年で解散とのこと。
しかも今年は岡田達也さまが客演と聞き、ちょこっと強行軍で観に行った。
M.O.P.の代表作(らしい)『ピスケン』の
リメイクだという『リボルバー』だが、
時代設定が変わり、内容はだいぶ変わったとのこと。
今回の舞台は、明治の始め。
おなじみの幕末に活躍した人物が(名前だけも含めて)
たくさん出て来る。
桂小五郎に、坂本竜馬、大久保に西郷。
しかし、物語は、彼らの作った新政府の強引な政策のもとで
たくましく生きる市井の人々のものだ。
横浜の外国人向けホテル青猫亭に強盗に入った男は
旗本の四男坊で、御一新で食いっぱぐれた輩。
それを咎めず、下働きに置いてしまうマダムは
その昔、桂に頼まれて外国人武器商人の妾になった経験を持つ。
そんなマダムの良人は元会津藩士。
使用人達はみんな元武家の奥方連。
時代に翻弄される、と言ってしまえば簡単だが、
視点を民衆に移せば、それがどれだけ厳しいことかが見えてくる。
地租改正で年貢が税へと代わり、その比率も何倍にも吊り上げられる。
自由民権運動は、そんな官制の貧困の中から生まれたのだ。
この芝居を観た日の朝、
私は大阪でNPOもやい代表の湯浅誠氏の話を聞いていた。
高生研の全国大会の分科会「『反貧困』の高校教育」である。
現代日本で「貧困」ということばが使われるようになり、
認識が生まれたのはつい最近のことで、
その火付け役は間違いなく湯浅氏なのだけれど
私が『リボルバー』を観ながらずっと思っていたのは、
今の日本とこの時代と変わっていないのではないか、ということだった。
いや、長い曲折を経て、それなりに変遷があったはずなのだが
螺旋が回るように同じところで重なっているようなそんな感覚だ。
政府が「国策」として民衆に無理を押しつけているのも変わらない。
違うのは、それに必死で抗おうとした
自由民権運動家がいないことかもしれない。
湯浅さんの話のメインは 「活動家一丁あがり」という
活動家を育てる特別講座の話だった。
活動家というとマッチョで、自分の思想以外受け付けない
ちょっと近づきたくない人というイメージだと思うが(その通り!)
そんなんではなくて、週末活動家、とか
余った時間活動家とか、思い立ったら活動家、っていうのが
たくさん増えるといいという話である。
確かに、お手軽気軽にちゃんと自分の意志で社会に関わるのは
とても大切だと思う。
私も実際、集会などに、参加できれば参加するように心がけている
軟派な「活動家」であり、
教師としては、機会あるごとに、
押しつけにはならないように気を配りながら
自分の意識を表明し続けている。
こんなんでもいい、そういう人が増えればいいと言われると少し安心する。
うちの母は結構バリバリな活動家で
「あんたみたいなんじゃだめ!」と言われ続けたので
なんだかやっても無駄なような、
後ろめたさを感じるような嫌な気分だったのだ。
やらないより、ちょっとでもやった方がまし。
それが数多く積み重なる方が、一人の人間が多くやるより意味がある、
そんなの当たり前な気もするが、湯浅さんのような人に言われると
やっぱりほっとするのだった。
話は『リボルバー』に戻るが、
岡田さん演じる佐伯新太郎は、土佐出身で中江兆民門下の若き運動家。
真っ直ぐで、常に真剣で、熱い思いに溢れた実に気持ちのいい青年だ。
(客演での岡田さんは、キャラメルで最近多いダークオッカーとは違って
こういう役が多くて、それもまた楽しみ。)
佐伯新太郎が素敵なのは、世をすねている旗本四男坊の一馬に
「君が願っているのは、社会変革だ。
これは、僕が書き写した中江兆民先生の訳した
フランスのジャン=ジャック・ルソーの『社会契約論』だ。
僕にとっては宝物だが、貸してあげよう。是非読むといい。」
なんて臆面もなく言っちゃうところである。
もちろん最初はひどい拒否に合う。
それでもめげない。しかも実に爽やかに誘い続ける。
自分のやってることに迷いがない。
そういうキャラには、勝てないのが道理。
最後には獄死してしまう新太郎だが、
その意志はきちんと一馬に引き継がれる。
羨ましい。あの屈託のなさが欲しい(笑)
M.O.P.のお楽しみのひとつはカーテンコールの大合奏。
岡田さんもしっかり参加して
今回もイカシタ演奏を聴かせてくれた。
あんまり楽しかったので、DVDの予約までしてしまった(^^;;;
そのおまけで北村有起哉くんと木下政治さんに握手してもらいました。
(あとで達也さんのブログ見たら、
物販出た日もあったんですね・・・残念(^^;;;)
あと1回。来年はどんな演目かなぁ・・・
あ、それからこの日は会場で西川さんの姿も拝見。
余りのオーラに見つめてしまって、失礼してしまいました。
鳩斉さんの中休みだったのですね。
休演日も芝居漬けなのですね~
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