水平線の歩き方
新作。
久しぶりに、気持ちよく泣けた。
思い切りネタバレします。
お気をつけて。
キャラメルには本当に素敵な役者さんが多いけれど
やっぱりW岡田はすごいなぁ、と思う一作だった。
中央に配した幸一(オカタツさん)の部屋は、
キャラメルには珍しく、他の場所として描かれることはなく、
それ以外の場面は、周りの空間で演じられる。
真ん中の部屋には、ずっと、幸一の亡き母である
アサミ(ももこさん)がいて、
ポテチやら柿の種やら魚肉ソーセージを食べている(笑)
・・・だけではなく、物思いにふけっている。
幸一が12歳の時に他界したアサミは、
何故だか、23年後の幸一の部屋を訪れて
自分が死んでからの息子の生活について話を聞く。
幸一は、高校で始めたラグビーに打ち込み、
社会人選手として活躍していたが、
膝をケガして、選手生命の危機を迎える。
スポーツ選手にとって、ケガや引退を向き合うのは
とても、辛く、そして避けられないことだ。
たまたま、今日、桑田真澄投手が
出演している番組を観た。
幸一の気持ちが滲み出るように感じられた。
プロになるということは、専一にそれだけを
追い求めると言うことだと思われている。
でも、人生は、それだけではうまくいかない。
私の師とする人がよく言うのだけど
子どもを一元的に育ててはいけない、のだ。
その子が豊かに生きるためには
いろいろな道や手立てがあった方がいい。
でも、プロスポーツ選手や
芸術家の偉業は、そんな「片手間」では
成し遂げられないのかも知れない。
「プロフェッショナル」に登場する人々も
ほとんど、「専一集中」な感じだ。
人生は難しいと思う。
ひとつのことに身を捧げて、
それがとてつもなく幸せに感じることもある。
でも、それを無くしたときには
どうしようもなく虚脱感を感じる。
生きていけなくなるほどに。
だから、他の道があった方がいい。
だけど、他のことなど、どうでも良く思えるほど
夢中になることに出逢ってしまったら・・・
別の道を考える必要も感じず、
それを思う余裕さえなくなってしまう。
この芝居が面白いのは、
そんな幸一を包む視線としての
アサミという存在だ。
先に書いたように、ずっと舞台上で
思いを馳せている。
私は、しゃべってる人ばかり観る癖があるのだが、
今回は、極力、ももこさんを観ることに注意を払った。
懸命すぎる生き方をしている息子を
早逝した母は、どんな気持ちで見守ってるのか。
その思いに心を重ねたかった。
「好きになった人が去っていくのは辛すぎるから
一人で走るラグビーをしてきた」という
幸一の告白に、涙がこぼれた。
痛いほどわかる。
なのに、私は、パスするのが好きで
しつこく投げすぎて、相手を疲れさせてしまうのだ。
高校生の頃からぜんぜん成長していないなと
なんだか切なくなってしまった。
ホントは、上手にパスを受けられるように
なりたいのだけど、
余裕がないんだよなぁ・・・
これもずぅっとそうなのかなぁ・・・
とりとめなくなってしまったけれど、
正直に言うと、あと2~3回観ないと、
うまくまとめられない気がする。
たくさんの思いが交錯していて
どこに焦点を当てるかで、見方が変わる作品なのだ。
神戸か名古屋に行ってしまいたい衝動と
静かに戦ってるところです。
お近くにお住まいの方は是非。
こっちだけでも楽しめますが、
2本観ると味わい深いです。
(その際は、ぜひ、水平線をあとにしてね。)
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