渓嵐国泰山海紘宮

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March 2008

March 01, 2008

答辞

 3月1日は全県的に卒業式。
 去年の春に二つの学校が統合したうちの学校では、
 合同卒業式となった。

 私の仕事は、答辞指導。
 読むのは工業代表と商業代表のふたり。
 学年会で決めることになっているのだが、
 工業代表は、国立大に合格したSに、やって欲しかった。
 大好きなサッカーに励み、
 学習環境の整わない中で、きちんと学力を付けながら、
 全く毛色の違うクラスメイトとも仲良くやっている彼なら
 この学校のいいところを上手く表現してくれると思ったからだ。
 
 ただ、すごくシャイだし、あまり前に出るタイプではないので
 やってくれるかなぁ、と心配だったので、
 授業で図書館を使った時にこっそり聞いてみた。
 「トウジって冬の?」という可愛いリアクションに思わず笑ったが、
 私が思っていることを説明をすると、少し考えて、
 やってもいいよ、と言ってくれた。
 「送別球技の後夜祭から、ちょっと人前に出るの、
  快感になっちゃってさ」と笑っていた。
 彼はサッカーのフリースタイルをやっていて、
 後夜祭でその技を披露したのだ。

 そう言うわけで、割とあっさり引き受けてくれたのだが、
 書くのには大分苦労していた。
 「こんなに短くまとめられるわけ無いんだよ」
 といいながらも、とても彼らしいいい文章を書いてくれた。

 初めはクラスメイトが恐いと思ったこと、
 でも話してみたら、とてもいい奴らだったこと。
 仲良くなるうちに自分の性格にも変化があったこと。
 部活動では、芳しい結果は出なかったけれど
 それ以上に大切な、信頼や協力や、
 挑戦すること、楽しむことの必要性を学んだこと。
 受験で成功できたのは、諦めなかったからで、
 やれば出来るのだから、
 後輩にも何事にも真剣に取り組んで欲しいと言うこと。
 自分を支えてくれた人々への感謝、
 その思いを抱いて故郷を離れていくこと。
 最後は、「工業に来て本当によかった」と
 締めくくってあった。
 
 個人的なことが多い文章ではあったが、
 毎年代わり映えしない、通り一遍等な
 「思い出が走馬灯のように駆け巡る」的な
 「挨拶」には辟易だと思わない?
 という私の問いに、期待以上に応えてくれる文章だった。

 商業代表のAも、自分の家族への思いを赤裸々に綴っていて、
 当事者性に溢れたいい文章を書いてくれた。
 センシティブな子で、練習の時も途中から泣いていたが
 本番では、最初から涙声で、卒業式の雰囲気を盛り上げた。

 舞台から降りて、校長に求められた握手に応えて戻ってきた
 Sとハイタッチを、Aと握手をして、私の仕事は終了だったが、
 三年担任の大先輩K先生に
 「久しぶりに、込み上げるものがある答辞で、とってもよかった」と
 お褒めのことばを頂いた。
 「個人的なことが多くて、いいのかなぁ、と思ったが
   一般的なことばかりよりも、印象的でいいのかもしれないね」
 と言ってくれた先生もいた。

 この学校に来てから、何度も答辞指導をやってきたが、
 いちばんラクだったし、とても楽しめたし、
 なにより受験をきっかけに、1年間、ずっと関わってきたSが
 自分の経験や思いをちゃんとことばにして、
 みんなの前で表現できる気持ちと場を持てたことが
 とても嬉しかった。

 何年かぶりに晴れ渡った3月1日。
 私にとっても、工業高校の卒業式となったこの日、
 心も晴れやかに過ごすことが出来た。
 4月から、普通高校に戻ることになりました。
 
 
 

 
 
 
 


 
 
 
 

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雅俗共賞〜最近観た映画〜

  • 真珠の耳飾りの少女
    :
    光の変化を感じ取るものと、そうでないもの。それを人々は「芸術を解するか否か」と表現するのだけど要は感性の問題。美とか快とかいうものの一致こそが人を理解する根本を成すのだと思った。映像がもの凄くきれい。 (★★★)

音吐朗朗〜最近聴く音楽〜

  • 雪月花
    YUMING: WINGS OF WINTER,SHADES OF SUMMER 
     時に、出会いは偶然。4年も前に発売されたこのアルバムを、今日、このタイミングで初めて聴いたのも、偶然。十代の頃から、ユーミンの曲の「やさしさに包まれ」て、歌詞の鋭さに突かれて、何度も窮地を切り抜けてきた。今回も、きっと背中を押してくれるね。どんな状態になっても、私らしく、凛といること。そうきっと「悲しみにも時は流れ 海へと注いでいく」のだから。 (★★★★★)
  • 『愛と欲望の日々』&『Lonely Woman』
    サザンオールスターズ:
    『大奥』のようなドラマを軽やかにするのはサザンしかいないのかも。女の情念なんてハレルヤ!ってなもんかな。きらびやかなジャパネスク調のサザン(世は万葉あたりね)、実はかなり好き(^-^)『Lonely Woman』は秋冬のサザン。実はサザンは全天候型なのよ(笑)(桑田さんは雨男だけど) (★★★★)
  • 乙女ノックアウトナイト
    比屋定 篤子: ひやじょう
    久々発売の4thアルバムのお気に入りの曲。もう大分前からライヴでは歌われていたけど、毎回このテンポにくらくらでした(^-^)レコード会社の人からこの題名は・・・と言われたらしいけど、この題名あってこそ、だと思う。オザケンの『東京恋愛専科・または恋は言ってみりゃボディーブロー』を思わせますです。 (★★★★)
  • ミモザ
    ゴスペラーズ:
    最近、どれを聴いても同じに聴こえる(爆)新しい刺激が欲しいよぉ。でも、サビの黒ポンの声は良いね。あとCMの唐沢くんもね。 (★★)

錦心繍口〜最近読んだ本〜

  • J・K・ローリング: ハリーポッターと秘密の部屋
    ハリーポッターシリーズは、話題になってすぐに1作目を読んだのだけど、正直、あまり興味が持てず、そのままにしておいた。が、最近、生徒と面接の練習をしている時に「教育学部に行きたいと思ったのは、ハリーポッターシリーズのダンブルドア校長先生の影響があります」というのを聞いて、改めて読んでみようと思った。この巻でも、自分がスリザリンと関係深いのではないかと悩むハリーに、「大切なのは、どう生まれたではなく、何を選ぶかだ」と助言するところがいちばん心に染みた。なるほど、教育指南書として読むハリーポッターもありだな、とシリーズ読破を試みている。それにしてもロックハートは、ひどすぎる教師だ(笑)
  • 竹田 青嗣: 「自分」を生きるための思想入門
    思想とは、社会的には人間に「正しいこと」を教えるものではなく、社会の中で絶えず「より合理的な関係」を作り出していくための“技術”であり、実存的には、個々の人間が、自分の生全体から「より大きいエロス(生きる喜び)」を引き出すための有効な“技術”であるという主張には、目から鱗が落ちた。自分が目指す生き方のために、様々な思想家の思想をどう理解し、どう選び取るか。哲学とはかくも実用的なのかと感動した。さて、私は、何をえらべばいいのか。それこそ、自分でしか決められない実存的問題なのである。 (★★★★)
  • 鈴木 真砂女 ・黛 まどか : 恋がすべて
    新旧女流俳人対談集。鈴木 真砂女という名前は知っていたが、こんなにも壮絶な恋をした人だったとは・・・その激しさと、強さと、美しさに号泣。魂が惹かれあうというのは、きっとこういうことを言うのだろうな。そんな巡り会いがひとつあれば、人はしあわせなのだと思う。黛さんも、そういう恋が出来るといいですね(笑) (★★★★)
  • 小谷野 敦: モテない男
    ものすごく面白くて、旅行中に二日で読み終えて、友人に押し付けてきた(笑)「恨み言」的な体裁を取りながら、しっかり分析されているところが流石。「恋愛はしなくても生きていける」と提唱したいけど出来ないジレンマが面白かった。(なんて言ったら怒られるかも)私はやっぱり本居宣長派の恋愛至上主義です(^^; (★★★★)
  • 養老 孟司: バカの壁
    今更ですが(笑)これって、ベストセラーなんだよね?一昨年、日本でいちばん読まれた作品なんだよね?こういう「もっともなこと」の溢れた本がそんなに売れてるのに、こんなにどうしようもない社会なのは何故なんだろう?(^^;「個性」についての考え方など、とてもわかりやすくて的確だと思いました。 (★★★★)
  • 瀬尾 まいこ: 図書館の神様
    文学音痴のでもしか国語教師が主人公。結構いるんだよね、実は(爆)私、もの凄く苦手なんだけど(爆)でも、まぁ、現代的には響きやすい話なのかもしれない。これをきっかけに漱石や周五郎を読む人が出れば、それはそれで良いのでしょう(^^; (★★★)
  • 小谷野 敦: 性と愛の日本語講座
    近現代文学における性愛に関係する言葉を、まじめに調べた一冊。下世話に思える言葉であろうと、いくつもの出典に当たって読み解いて行く作業はまさに国文学。大学でやってたことを思い出して楽しかった(^-^) (★★★★)

気韻生動〜最近観た舞台〜

  • Dr.TV
    福澤一座:
    福澤一座の第二回公演。言葉とテレビにこだわったこの作品群は、これからも小さなエピソードを繋いでいく形なのかな?正直言って、去年の方が面白かったなぁ(^-^;)しかし、森圭介アナはやっぱり好み(^^;一瞬「畑中くん?」と思う部分があって、やっぱり好きなタイプが似ていることが判明。結局ショタコンか(爆) (★★★)
  • SHIROH
    劇団☆新感線:
    歌うような台詞、とよく言うが、歌がきちんと台詞になっていることに感動。上川さんはとても歌が上手いと言う訳ではないのだが、すごくまっすぐに体に染みてくるのだ。『マイ・フェア・レディ』の レックス・ハリスンみたい。もう一人のシロウ、中川くんはもの凄く歌がうまかった。そして、ロック。それから迫力の群舞。すごい。少しは見習え<『クラ○ディア』(爆) (★★★★)
  • 『スキップ』
    演劇集団キャラメルボックス: タイムトラベルシアターVol.1
    都合三回鑑賞。一度目は現在の自分に重ね合わせて観てしまって号泣。二度目は少し冷静になり、自分が頭の中でだいぶ補って見ていること気付く。それでも、告白されると泣いてしまう(;_;)3度目の千秋楽は、坂口さんの熱演にまた引き込まれ、クライマックスでやっぱり涙を禁じ得ない。とにかくさわやかに泣けた。演劇としての構成の問題などはあるのだろうけど、小説も含めて十二分に『スキップ』の世界を堪能できたことに感謝。 (★★★★)
  • 沖縄ラーメンズライヴ
    ラーメンズ:
    『沖縄ラーメンズライヴ  サーターアンダギーは見かけのシンプルさの割に名前が長過ぎ  A&Wは貴方と私の略。  ラーメンズにとって沖縄が楽園になるかどうかは客次第』 やっぱり頭の良い人の考えることは面白い。 (★★★★)
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