渓嵐国泰山海紘宮

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August 2007

August 15, 2007

ことば あふれ出る教室~横浜市立盲学校~

 司書教諭研修で、いろんな映像が紹介される。
 今日のヒットは、NHKのにっぽんの現場で
 5月に放映されたらしい横浜市立盲学校の様子。

 初めて知ったのだが、点字には漢字がないそうで、「音」しか分からないため、
 視覚障害のある子どもたちは、理解に時間がかかるのだそうだ。
 そこで、道村静江先生は、小学校4~6年生の教室で
 小学生が習う漢字1006字を学べる教材を作り、
 習得を目指している。
 その漢字の学習の様子は、理想の授業に見えた。
 「馬」という字を学ぶとき、その字形を口で説明していく。
 「縦線に横線三本・・・」と、すっかり覚えているのか、
 すらすらと口にする男の子。
 それを受けて、字形の意味をみんなで読み解く。
 右に三本開いている線は鬣。
 下の四つの点は足。じゃあ、足を包むような右のはねは?
 ・・・そう、しっぽ。
 「馬のしっぽはすごく長くてさらさらなんだよ」と
 説明する道村先生。
 「ほらこれ、触ってみて」とポニーテールにした女の子の
 髪をみんなにさわらせる。
 「すごい!気持ちいい!」「かっこいいね」と
 驚きを口にする生徒たち。
 一つ一つの文字を、こんな風に体感しながら
 まさに「身につけて」いくのだ。
 
 この番組のナレーションは、最上級生の優里菜さんが担当している。
 堂々とした発音のすごくきれいな朗読。
 本を読むのが大好きだという彼女は、漢字を手に入れたことで
 いろいろなものが理解できるようになり、
 パソコンの音声機能を使って正しく字を選べるようになったっと
 嬉しそうに語っていた。
 卒業を控えた彼女は、下級生より一足早く1006字を習得した。
 それは大変な努力を要したようで「道村先生が恐いからさ、
 頑張らざるを得ないんだよ」と言っていたが、
 「恐い?そんなに恐かった?」と道村先生に聞かれると
 「いや、ちゃんとやらない私が悪いんだけど」と明るく話す。
 最近よくある感じに、表面を取り繕って
 「こう言った方がいい」と思っているという風ではない。
 本気で「この学びは自分のためだ」とわかっている感じだ。
 未熟児で生まれて、声帯が一つ使えない生徒も、
 発声指導について、同じようなコメントをし、
 自ら、声を出せるようにと腹筋をしていた。
 ここには、「自分が豊かに生きていく上で
 身につけなければならないものを学んでいるのだ」という
 強い意識が感じられた。
 道村先生の口癖は「できないじゃない、やるの」だそうだ。
 とても厳しい言葉だが、これが出来なければ、
 生きていくのに困るのだ、
 だから出来るようになって欲しいのだ、
 という気持ちは生徒たちにしっかり伝わっている。
 そして実際、学校での学びが、彼らをの生活を豊かにし、
 それを彼ら自身がいちばん実感しているのである。
 これこそ、教育の理想の姿ではないか。
 学ぶことは厳しくて辛い、
 でもいろんな事が出来るようになっていくのは、
 楽しいし嬉しい。
 そんな学びの本質を感じさせられる授業を
 どれだけしているか、考えさせられてしまった。

 大縄飛びや、狂言にも彼らは挑戦していた。
 優里菜さんの卒業式には、
 みんなが今の気持ちを漢字の音読みで伝え合っていた。
 今の気持ちは「ジャク」・・・そう寂しい。
 でも、「コウ」・・・「好きって意味?」と聞く子もいたけど
 優里菜さんが言ったのは「幸」。
 みんな「ジャク!」「コウ!」と叫びながら別れを惜しんでいた。
 明るくて、楽しげで、にこにこして。
 目が見えないのに、ではなく、
 目が見えないからこそ生まれた「幸」がそこには生まれていた。
 子どもを取り巻く環境は、私たちには変えられない。
 だから、彼らのいる生活環境の中で、
 豊かに生きられるスキルを身につけられるように工夫すること、
 それこそが私たちの大切な仕事なのだと痛感した。
 すばらしい実践だった。

 ・・・ただ、何故司書教諭研でこれを見た理由はわからない(爆)
 
 

August 14, 2007

偶然の再会Part2

 この間の島根出張の領収書を出しに
 近くの商業高校にある高文連の事務局に行った。
 事務室で場所を聞いてくれと言われたので
 事務室を覗いたら、「あれ!先生!」と事務員さんが・・・
 今度は、前前任校で担任した女の子だった。
 今年の春に卒業して、社会科教諭の補充登録をしてたのだが
 事務職の口で臨時採用になったそうだ。
 「大学卒業した時、先生に報告したかったんだよ。
  ちゃんと立派になったよって。
  高校のときの私とは変わったよって」と言ってくれた。
 彼女の卒業した私立高校は、
 成績による競争と序列で塗り固められたひどい学校で、
 私もまだ生活指導なんて概念もなく、
 かなり失敗もやらかしたなぁ、と思っている。
 彼女はそんな中で、ちょっと手のかかる子で、
 でもその陰にはいろいろ切ない理由があって、
 本当は明るくて優しいすごく素敵な子なのだ。
 だけど私は、担任をしている時に彼女のそんな良さを
 ちゃんと褒めてあげた記憶が無い。
 彼女の言葉を聞いて、嬉しい反面、
 なんだか申し訳ない気持ちになってしまった。
 でも、今の彼女がすごく生き生きしていたので
 とても救われた。
 今度もまた、飲む約束をして別れた。
 毎週末、忙しいぞぉ(笑)
 

司書教諭研修

 夏休みの恒例になった司書教諭研も4年目。
 とうとう最後の科目となった。
 もともと免許が欲しくて始めたわけではないので
 やっと、と言う感じでもないのだけど、
 大学の講義的なものを受けるのも
 もうしばらく無いかもと思うと
 なかなか感慨深い。
 生徒の立場になって授業を受けると
 いろいろな事に気付かされる。
 去年(一昨年かな?)も書いた気がするけど
 ものすごく入念に準備された事がわかる
 緻密な授業のわかりやすさには感心するし、
 人生の深みを感じさせるエピソードに富んだ授業では、
 一生懸命何かをつかみ取ろうとする
 気持ちを掻き立てられた。
 で、今日は。。。
 正直に言うと、「ああ、私も陥りがちかも」と
 反省させられた(^^;;;

 私より若年の女の先生だったのだけど
 ものすごく喩え話が多い。
 で、レジメが無いので、
 どれが本筋で、何が言いたい事で、
 何故この話をしているのかがわからなくなるのだ。
 私もよく喩え話をするので、ちょっと考えてしまった。
 もちろん喩え話は、
 話をわかりやすくするためにするのだけど、
 今日の授業を聴いていたら
 「喩えられているものを知らなかったら、
  全く話が見えないな」と痛感してしまった。
 『のだめカンタービレ』と『はちみつとクローバ』の
 比較を話されても、どっちも読んだ事無いと
 全然想像もつかない。
 もちろん、「どういうものか」の説明はあるけれど
 それを聞くのならたとえが無いのと一緒で、
 そもそも喩え話を理解する事が主眼ではないのだから
 無駄なエネルギーを使っている気がしてしまうのだ。
 もっとも、この喩えを効果的に使いたいなら、
 その両方を印刷してみせるか、OHCで見せればいい。
 しかし、それは、綿密に授業を組み立てて、
 ここでこの喩えを使う、ということを決めていなければできない。
 私は思いつきで話してしまう事が多いので、
 まずそういう準備はしていないことがほとんどだ。
 でも、反省。
 今まではほとんどカンで話を進めていたが
 多数の人を相手にするときは、
 それを知らない人も多いことを頭に置かないといけないな。
 と言うわけで、講義を受けると、
 いろんなことで賢くなるのでした(笑)
 

偶然の再会

 今日は夏期休暇。
 ふたり目の産休に入った妹とホテルでランチをして
 ちょっとドライブして、めいめいを迎えに行って
 皮膚科に連れて行った。
 水いぼがなかなか治らないので
 定期的に通っているらしい。

 そしたら、その皮膚科で、
 いきなりフルネームを先生付けで呼ばれた。
 5年前に送り出した前任校での卒業生。
 初任研のときに担任をしてた生徒で、
 未だに年賀状をくれる女の子だった。
 留学先のロンドンでの水が合わなかったらしく
 肌荒れがのために通院しているのだとか。
 留学したために、1年間卒業を延ばして
 現在就職活動中だそう。
 「航空業界を中心にやってます」
 ・・・高校卒業のときから、CAになるのが夢だったのを
 貫いているそうだ。
 大学に送り出すときは、
 正直、基礎学力が少し心配だったけど
 外国にも留学して、夢にむかって邁進中だなんて
 なんかものすごく嬉しくなってしまった。
 しかも、高校時代にはため口だったのに
 ちゃんと敬語も使って(^-^*)
 夏休み中、沖縄にいると言うことだったので、
 ゆっくり逢おうと約束して別れた。
 他の子たちにも逢えそうで嬉しい。
 教師をやっててよかったと思うのは
 こんな瞬間だよね。

 明日からは司書教諭講習。
 とうとう最後の科目まで来ました。
 

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雅俗共賞〜最近観た映画〜

  • 真珠の耳飾りの少女
    :
    光の変化を感じ取るものと、そうでないもの。それを人々は「芸術を解するか否か」と表現するのだけど要は感性の問題。美とか快とかいうものの一致こそが人を理解する根本を成すのだと思った。映像がもの凄くきれい。 (★★★)

音吐朗朗〜最近聴く音楽〜

  • 雪月花
    YUMING: WINGS OF WINTER,SHADES OF SUMMER 
     時に、出会いは偶然。4年も前に発売されたこのアルバムを、今日、このタイミングで初めて聴いたのも、偶然。十代の頃から、ユーミンの曲の「やさしさに包まれ」て、歌詞の鋭さに突かれて、何度も窮地を切り抜けてきた。今回も、きっと背中を押してくれるね。どんな状態になっても、私らしく、凛といること。そうきっと「悲しみにも時は流れ 海へと注いでいく」のだから。 (★★★★★)
  • 『愛と欲望の日々』&『Lonely Woman』
    サザンオールスターズ:
    『大奥』のようなドラマを軽やかにするのはサザンしかいないのかも。女の情念なんてハレルヤ!ってなもんかな。きらびやかなジャパネスク調のサザン(世は万葉あたりね)、実はかなり好き(^-^)『Lonely Woman』は秋冬のサザン。実はサザンは全天候型なのよ(笑)(桑田さんは雨男だけど) (★★★★)
  • 乙女ノックアウトナイト
    比屋定 篤子: ひやじょう
    久々発売の4thアルバムのお気に入りの曲。もう大分前からライヴでは歌われていたけど、毎回このテンポにくらくらでした(^-^)レコード会社の人からこの題名は・・・と言われたらしいけど、この題名あってこそ、だと思う。オザケンの『東京恋愛専科・または恋は言ってみりゃボディーブロー』を思わせますです。 (★★★★)
  • ミモザ
    ゴスペラーズ:
    最近、どれを聴いても同じに聴こえる(爆)新しい刺激が欲しいよぉ。でも、サビの黒ポンの声は良いね。あとCMの唐沢くんもね。 (★★)

錦心繍口〜最近読んだ本〜

  • J・K・ローリング: ハリーポッターと秘密の部屋
    ハリーポッターシリーズは、話題になってすぐに1作目を読んだのだけど、正直、あまり興味が持てず、そのままにしておいた。が、最近、生徒と面接の練習をしている時に「教育学部に行きたいと思ったのは、ハリーポッターシリーズのダンブルドア校長先生の影響があります」というのを聞いて、改めて読んでみようと思った。この巻でも、自分がスリザリンと関係深いのではないかと悩むハリーに、「大切なのは、どう生まれたではなく、何を選ぶかだ」と助言するところがいちばん心に染みた。なるほど、教育指南書として読むハリーポッターもありだな、とシリーズ読破を試みている。それにしてもロックハートは、ひどすぎる教師だ(笑)
  • 竹田 青嗣: 「自分」を生きるための思想入門
    思想とは、社会的には人間に「正しいこと」を教えるものではなく、社会の中で絶えず「より合理的な関係」を作り出していくための“技術”であり、実存的には、個々の人間が、自分の生全体から「より大きいエロス(生きる喜び)」を引き出すための有効な“技術”であるという主張には、目から鱗が落ちた。自分が目指す生き方のために、様々な思想家の思想をどう理解し、どう選び取るか。哲学とはかくも実用的なのかと感動した。さて、私は、何をえらべばいいのか。それこそ、自分でしか決められない実存的問題なのである。 (★★★★)
  • 鈴木 真砂女 ・黛 まどか : 恋がすべて
    新旧女流俳人対談集。鈴木 真砂女という名前は知っていたが、こんなにも壮絶な恋をした人だったとは・・・その激しさと、強さと、美しさに号泣。魂が惹かれあうというのは、きっとこういうことを言うのだろうな。そんな巡り会いがひとつあれば、人はしあわせなのだと思う。黛さんも、そういう恋が出来るといいですね(笑) (★★★★)
  • 小谷野 敦: モテない男
    ものすごく面白くて、旅行中に二日で読み終えて、友人に押し付けてきた(笑)「恨み言」的な体裁を取りながら、しっかり分析されているところが流石。「恋愛はしなくても生きていける」と提唱したいけど出来ないジレンマが面白かった。(なんて言ったら怒られるかも)私はやっぱり本居宣長派の恋愛至上主義です(^^; (★★★★)
  • 養老 孟司: バカの壁
    今更ですが(笑)これって、ベストセラーなんだよね?一昨年、日本でいちばん読まれた作品なんだよね?こういう「もっともなこと」の溢れた本がそんなに売れてるのに、こんなにどうしようもない社会なのは何故なんだろう?(^^;「個性」についての考え方など、とてもわかりやすくて的確だと思いました。 (★★★★)
  • 瀬尾 まいこ: 図書館の神様
    文学音痴のでもしか国語教師が主人公。結構いるんだよね、実は(爆)私、もの凄く苦手なんだけど(爆)でも、まぁ、現代的には響きやすい話なのかもしれない。これをきっかけに漱石や周五郎を読む人が出れば、それはそれで良いのでしょう(^^; (★★★)
  • 小谷野 敦: 性と愛の日本語講座
    近現代文学における性愛に関係する言葉を、まじめに調べた一冊。下世話に思える言葉であろうと、いくつもの出典に当たって読み解いて行く作業はまさに国文学。大学でやってたことを思い出して楽しかった(^-^) (★★★★)

気韻生動〜最近観た舞台〜

  • Dr.TV
    福澤一座:
    福澤一座の第二回公演。言葉とテレビにこだわったこの作品群は、これからも小さなエピソードを繋いでいく形なのかな?正直言って、去年の方が面白かったなぁ(^-^;)しかし、森圭介アナはやっぱり好み(^^;一瞬「畑中くん?」と思う部分があって、やっぱり好きなタイプが似ていることが判明。結局ショタコンか(爆) (★★★)
  • SHIROH
    劇団☆新感線:
    歌うような台詞、とよく言うが、歌がきちんと台詞になっていることに感動。上川さんはとても歌が上手いと言う訳ではないのだが、すごくまっすぐに体に染みてくるのだ。『マイ・フェア・レディ』の レックス・ハリスンみたい。もう一人のシロウ、中川くんはもの凄く歌がうまかった。そして、ロック。それから迫力の群舞。すごい。少しは見習え<『クラ○ディア』(爆) (★★★★)
  • 『スキップ』
    演劇集団キャラメルボックス: タイムトラベルシアターVol.1
    都合三回鑑賞。一度目は現在の自分に重ね合わせて観てしまって号泣。二度目は少し冷静になり、自分が頭の中でだいぶ補って見ていること気付く。それでも、告白されると泣いてしまう(;_;)3度目の千秋楽は、坂口さんの熱演にまた引き込まれ、クライマックスでやっぱり涙を禁じ得ない。とにかくさわやかに泣けた。演劇としての構成の問題などはあるのだろうけど、小説も含めて十二分に『スキップ』の世界を堪能できたことに感謝。 (★★★★)
  • 沖縄ラーメンズライヴ
    ラーメンズ:
    『沖縄ラーメンズライヴ  サーターアンダギーは見かけのシンプルさの割に名前が長過ぎ  A&Wは貴方と私の略。  ラーメンズにとって沖縄が楽園になるかどうかは客次第』 やっぱり頭の良い人の考えることは面白い。 (★★★★)
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