渓嵐国泰山海紘宮

Recent Trackbacks

« December 2006 | Main | February 2007 »

January 2007

January 19, 2007

朧の森に棲む鬼@新橋演舞場

 劇団☆新感線がらみの作品を観るのは
 『天保12年のシェイクスピア』、
 『SHIROH』に続いて3作目だが、
 いわゆる「いのうえ歌舞伎」は初体験。
 台詞の合間に入る拍子木心地よさ、
 見得に代表される大きな動きの優雅さ、
 おなかに響く大音量のヘビメタロック、
 花道を駆け抜ける疾走感。。。癖になりそう(^^;;;
 公式サイトにあるとおり、
 この作品の染五郎さんは、「掛け値なしの悪い男」。
 しかし、染五郎演じるライは、
 ものすごい腕力で人をねじ伏せるとか、
 権力や金で全てを支配するという「悪」ではない。
 ありとあらゆる嘘を生み出す、赤い舌だけで
 ライは、「極み」に登りつめる。
 そう、この話は、『Lord of the Lies』、
 その名も「嘘(Lie)の物語」なのである。

 累々と横たわる屍を踏んで朧の森にたどり着いたライに、魔物たちが言う。
 「お前の望みはなんだ?
  かなえてやろうじゃないか。それにふさわしい男の望みなら」
 そうして、ライは、自分の舌の動く速さで斬りつけることの出来る
 「オボロの剣」を手に入れる。
 ライが瞬時に嘘を仕立て上げる毎に、
 「オボロの剣」はその俊敏さを増す。
 そうして「腕っ節」も手に入れたライは、
 見事に織り成される真っ赤なシナリオを撒き散らし
 高みを目指し続けるのである。

 前半は、ライの嘘の小気味よさと、
 それがことごとく現実になっていくことに
 共犯者のようなワクワク感と下克上の興奮を憶えた。
 阿部サダヲ演じるライの弟分キンタの
 突き抜けるような馬鹿加減も愛しいし、
 古田新太のマダラは野太くたくましく、
 粟根まことさん演じるメガネにジグザグ頭のウラベは
 相変わらずカッコイヤラシい(笑)
 女将軍ツナさま(秋山菜津子)の凛々し色っぽさや
 若き女兵士シュテン(真木よう子)の妖しかっこよさ
 にもドキドキ。
 高田聖子演じるシキブのはじけぶりも見事で、
 数少ない女性陣はみんな個性的で美しかった(^-^)
 キャラクターはそれぞれ役者らしさが炸裂で、
 際立って、魅せてくれる。
 軽快なギャグも冴え、実に「楽しい舞台」だった。

 しかし、後半、その軽快さが徐々に息苦しくなる。
 村の仲間をハメつづけて、居場所を失くして
 さまよっていたライ。
 人を裏切り、斬り捨て、のしあがる度に
 生きていくのに必死だったひたむきさは消え、
 ゲームのように人の心を弄び、踏みつけにする
 傲慢さと残酷さが浮かび上がる。
 生きるためなら、どんなことでも許されるのか、というのは
 『羅生門』でも問われ、毎年生徒とともに考える命題だ。
 生活に追われる現実に照らし合わせるほどに
 答えの出ない「黒洞々たる闇」に吸い込まれる気がする。
 しかし、それは、自分の命と、人の命を量りにかけて
 思い悩むあまりにたどり着けないジレンマだ。
 最初、オボロに望みを聞かれたとき
 「明日生き抜ければそれでいい、
  欲しいものなんてない」と言い切っていたライ。
 オボロに嗾され、自分で自分を殺す時、
 命をオボロに捧げることと引き換えに、
 王の座を望む。
 口先三寸で人生のコマを快調に進めるうちに、
 生きることそのものではなく、
 ただ成功ゲームを楽しむようになったライに、
 私は、恐怖よりも切なさを感じた。
 「お前だけは裏切らねぇよ」と言い続けてきた
 キンタを陥れた時、その思いは頂点に達した。
 貧賤の知であり、ずっと自分を慕い続けた弟分を
 冷たく斬り捨てるライ。
 光を奪われた上に、実はずっと前から、
 ライに騙されていたことを知ったキンタの嘆き。
 また、「俺のことを恨んでいる女こそ、
  いちばん俺を思っている女だ。
  もっと憎め、恨め」とツナに迫るライの言葉には
 胸が締め付けられるようだった。

 ライが欲しかったものは、なんなのか。
 「明日生きていられればそれでいい」 のは本心だったはずだ。
 オボロに「望みを叶えるにふさわしい男」と判断された故に
 血塗られた道を駆け抜けることになった運命を、
 ライはどう受け止めたのだろうか。

 オボロがライを焚き付けたのは、何故なのか。
 ライの赤い舌が染め上げる
 どんな世界を望んだのか。
 
 人は誰でも心に鬼を飼っている。
 その鬼を育てる環境を得ると、
 驚くほどに鬼は成長を始める。
 全く鬼の棲まぬ心は味気ないし
 育てすぎると、獅子身中の「鬼」に
 喰われかねない。
 自分の心の鬼との共存。
 そのためにはまず、自分の真の望みを
 見失わないことではないか。
 
 劇場中を煙らせるように飛沫をあげる
 舞台上の大滝に打たれて、
 少し育ち気味だった私の心の鬼が
 ダイエットした、そんな気分だった。

January 14, 2007

機種変更

 3年間使っていたV601SHに別れを告げ、
 911SHに乗り換えた。
 もう、機種もプランもあり過ぎでわからないので、
 店頭にいちばん目立っておいてあったこれにした。
 私が欲しかったのは、
「2メガ以上のカメラ」
 「音楽が聴けること」
 のふたつだけで、あと、今までずっとシャープ製なので
 操作を覚えないで済むようにシャープ製品であることが条件。
 で、買ったのだけど・・・
 操作法はかなり変わっていた・・・・
 機能があり過ぎて、難しい。。。
 私は、結構機械には強いのだけど
 (AV機器の接続も自分で出来る)
 携帯電話の操作と、料金プランを見るのだけは苦手だわ(笑)
 でも、とりあえず911SHだけ!というヤツで
 ミッフィー仕様にいたしました(^-^)ふふふ・・・

 ちなみに噂のアクオス携帯ですが、
 電波の都合で、うちでは窓際でしか観られません。
 でも、携帯電話でテレビ観るのは、
 外に出てるときだよね・・・と考えればいいのか。
 まぁ、ぼちぼち遊んでみます。

January 13, 2007

お約束は、目を見てね。

 朝起きたら、目やにで左目があかなかった。
 ここんとこ調子が悪かったが、今日は最悪。
 ものすごく忙しい一日だったんだけど、
 1時間お休みして、眼科へ。
 ものの3分の診察で
 「アレルギーですね。薬さして冷やしたら治ります」と
 言われ、二種類目薬を貰う。
 確かに一度さしただけで違和感が引いた。
 充血は残ってるけど・・・

 そんなわけで早く帰れたので、
 水疱瘡療養中のめいめいに逢いにいく。
 ものすごく元気なのだが、病気で王様度が増し
 いつにもましてわがまま。
 昼寝を沢山したらしく
 すごくハイテンションで、
 Mステの年間ベスト100にあわせて
 プロレス技を織り交ぜつつ踊りまくっていたが
 それに飽きるとお気に入りの
 「タオルケットゆらゆら」をしろという。
 大きなタオルケットに乗せられて
 ハンモックのように揺らされた後、
 マットに放り投げられるこの遊びが大好きなめいめい。
 何度も、何度も、指を一本立てて
 「もう1度」をお願いする。
 しかし、元気そうだけど、一応療養中だし(^^;;;;
 もう寝る時間だったので、
 「次が最後ね」と約束して、5回目を終えた。
 もちろん、王様めいめいはそんなことでは納得しない。
 まだやる、まだやる、凄まじく泣き叫ぶ。
 「めい、さっき、最後って約束したでしょ?
  もう寝なくちゃ行けない時間だし、
  めいがわがままな子になったら困るから、
  出来ないんだよ」と妹がいくら諭しても、
 隣人が「虐待してます」と児童相談所に電話しかねないほど
 泣き叫ぶ(^^;;;;
 しょうがないので、妹が
 「わかった、次がホントに最後だよ。」と言うと
 急に静かになってうんうんとうなづく。
 でも、そんな態度に何度も騙されてきた妹は
 保育士さんの指導通り
 「めい、ちゃんと目を見てお約束して」と念押しする。
 すると、めいは・・・・
 目をそらすのである(笑)
 すごい。1歳8ヶ月は、ちゃんとわかっている。
 「目を見てお約束」をしたら、それを破るのはタブーであることを。
 本当にたくみに目をそらすので、思わず笑ってしまう。
 それでも、妹は許さない。ここが勝負所だ。
 しばらく、めいのぐずりとの根気勝負が続く。
 そして、目をそらし続けた末、今度は私と目が合ってしまった。
 「めいめい、もうねんねの時間だから、
  もう1回だけやったら、ミルク飲んで、ねんねしようね。
  大丈夫?できる?」と聞くと目を泳がせながら、うんうんとうなづく。
 「だめだめ。ちゃんと目を見て、お約束」と言うと、やっぱり目をそらす。
 しかし、そこは、プロの教師の力量。
 目をそらし続ける高校生と、もう10年以上対峙してきた私から
 逃げられる1歳8ヶ月はいない。
 ばちっと一度合ったら、視線はそうは逸らせない。
 思わず、気迫にうなずき、約束をする。
 妹も「ほら、ママとも目を合わせて」と言ったら、
 今度は素直に目を合わせてうなずいた。
 その後、最高の笑顔で、一歩一歩噛み締めるように
 タオルケットに近づく。
 いつもより長めに「タオルケットゆらゆら」をしてマットに落とすと、
 指を一本立てて次を要求はしたが
 「お約束したよ」と言うと泣かずに立ち上がり、
 妹にだっこを要求。ちゃんとミルクを飲む準備をしたのだ。
 もちろん、ふたりでべた褒めした。
 
 動物も、目を合わせて制する、と聞いたことがある。
 それは本能に摺り込まれたことなのかもしれない。
 ちなみに私は、そう言う目力には定評がある。
 詳細は秘密ですけどね(^^;;;;
 
 
 

January 01, 2007

あけましておめでとうございます。

 今年は、穏やかに、が目標。

 心穏やかに過ごせるように
 深呼吸を心がけたいです。

 年賀状もまだ出せていませんが、
 みなさま、どうぞ
 今年もよろしくお願いします。

« December 2006 | Main | February 2007 »

July 2015
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

雅俗共賞〜最近観た映画〜

  • 真珠の耳飾りの少女
    :
    光の変化を感じ取るものと、そうでないもの。それを人々は「芸術を解するか否か」と表現するのだけど要は感性の問題。美とか快とかいうものの一致こそが人を理解する根本を成すのだと思った。映像がもの凄くきれい。 (★★★)

音吐朗朗〜最近聴く音楽〜

  • 雪月花
    YUMING: WINGS OF WINTER,SHADES OF SUMMER 
     時に、出会いは偶然。4年も前に発売されたこのアルバムを、今日、このタイミングで初めて聴いたのも、偶然。十代の頃から、ユーミンの曲の「やさしさに包まれ」て、歌詞の鋭さに突かれて、何度も窮地を切り抜けてきた。今回も、きっと背中を押してくれるね。どんな状態になっても、私らしく、凛といること。そうきっと「悲しみにも時は流れ 海へと注いでいく」のだから。 (★★★★★)
  • 『愛と欲望の日々』&『Lonely Woman』
    サザンオールスターズ:
    『大奥』のようなドラマを軽やかにするのはサザンしかいないのかも。女の情念なんてハレルヤ!ってなもんかな。きらびやかなジャパネスク調のサザン(世は万葉あたりね)、実はかなり好き(^-^)『Lonely Woman』は秋冬のサザン。実はサザンは全天候型なのよ(笑)(桑田さんは雨男だけど) (★★★★)
  • 乙女ノックアウトナイト
    比屋定 篤子: ひやじょう
    久々発売の4thアルバムのお気に入りの曲。もう大分前からライヴでは歌われていたけど、毎回このテンポにくらくらでした(^-^)レコード会社の人からこの題名は・・・と言われたらしいけど、この題名あってこそ、だと思う。オザケンの『東京恋愛専科・または恋は言ってみりゃボディーブロー』を思わせますです。 (★★★★)
  • ミモザ
    ゴスペラーズ:
    最近、どれを聴いても同じに聴こえる(爆)新しい刺激が欲しいよぉ。でも、サビの黒ポンの声は良いね。あとCMの唐沢くんもね。 (★★)

錦心繍口〜最近読んだ本〜

  • J・K・ローリング: ハリーポッターと秘密の部屋
    ハリーポッターシリーズは、話題になってすぐに1作目を読んだのだけど、正直、あまり興味が持てず、そのままにしておいた。が、最近、生徒と面接の練習をしている時に「教育学部に行きたいと思ったのは、ハリーポッターシリーズのダンブルドア校長先生の影響があります」というのを聞いて、改めて読んでみようと思った。この巻でも、自分がスリザリンと関係深いのではないかと悩むハリーに、「大切なのは、どう生まれたではなく、何を選ぶかだ」と助言するところがいちばん心に染みた。なるほど、教育指南書として読むハリーポッターもありだな、とシリーズ読破を試みている。それにしてもロックハートは、ひどすぎる教師だ(笑)
  • 竹田 青嗣: 「自分」を生きるための思想入門
    思想とは、社会的には人間に「正しいこと」を教えるものではなく、社会の中で絶えず「より合理的な関係」を作り出していくための“技術”であり、実存的には、個々の人間が、自分の生全体から「より大きいエロス(生きる喜び)」を引き出すための有効な“技術”であるという主張には、目から鱗が落ちた。自分が目指す生き方のために、様々な思想家の思想をどう理解し、どう選び取るか。哲学とはかくも実用的なのかと感動した。さて、私は、何をえらべばいいのか。それこそ、自分でしか決められない実存的問題なのである。 (★★★★)
  • 鈴木 真砂女 ・黛 まどか : 恋がすべて
    新旧女流俳人対談集。鈴木 真砂女という名前は知っていたが、こんなにも壮絶な恋をした人だったとは・・・その激しさと、強さと、美しさに号泣。魂が惹かれあうというのは、きっとこういうことを言うのだろうな。そんな巡り会いがひとつあれば、人はしあわせなのだと思う。黛さんも、そういう恋が出来るといいですね(笑) (★★★★)
  • 小谷野 敦: モテない男
    ものすごく面白くて、旅行中に二日で読み終えて、友人に押し付けてきた(笑)「恨み言」的な体裁を取りながら、しっかり分析されているところが流石。「恋愛はしなくても生きていける」と提唱したいけど出来ないジレンマが面白かった。(なんて言ったら怒られるかも)私はやっぱり本居宣長派の恋愛至上主義です(^^; (★★★★)
  • 養老 孟司: バカの壁
    今更ですが(笑)これって、ベストセラーなんだよね?一昨年、日本でいちばん読まれた作品なんだよね?こういう「もっともなこと」の溢れた本がそんなに売れてるのに、こんなにどうしようもない社会なのは何故なんだろう?(^^;「個性」についての考え方など、とてもわかりやすくて的確だと思いました。 (★★★★)
  • 瀬尾 まいこ: 図書館の神様
    文学音痴のでもしか国語教師が主人公。結構いるんだよね、実は(爆)私、もの凄く苦手なんだけど(爆)でも、まぁ、現代的には響きやすい話なのかもしれない。これをきっかけに漱石や周五郎を読む人が出れば、それはそれで良いのでしょう(^^; (★★★)
  • 小谷野 敦: 性と愛の日本語講座
    近現代文学における性愛に関係する言葉を、まじめに調べた一冊。下世話に思える言葉であろうと、いくつもの出典に当たって読み解いて行く作業はまさに国文学。大学でやってたことを思い出して楽しかった(^-^) (★★★★)

気韻生動〜最近観た舞台〜

  • Dr.TV
    福澤一座:
    福澤一座の第二回公演。言葉とテレビにこだわったこの作品群は、これからも小さなエピソードを繋いでいく形なのかな?正直言って、去年の方が面白かったなぁ(^-^;)しかし、森圭介アナはやっぱり好み(^^;一瞬「畑中くん?」と思う部分があって、やっぱり好きなタイプが似ていることが判明。結局ショタコンか(爆) (★★★)
  • SHIROH
    劇団☆新感線:
    歌うような台詞、とよく言うが、歌がきちんと台詞になっていることに感動。上川さんはとても歌が上手いと言う訳ではないのだが、すごくまっすぐに体に染みてくるのだ。『マイ・フェア・レディ』の レックス・ハリスンみたい。もう一人のシロウ、中川くんはもの凄く歌がうまかった。そして、ロック。それから迫力の群舞。すごい。少しは見習え<『クラ○ディア』(爆) (★★★★)
  • 『スキップ』
    演劇集団キャラメルボックス: タイムトラベルシアターVol.1
    都合三回鑑賞。一度目は現在の自分に重ね合わせて観てしまって号泣。二度目は少し冷静になり、自分が頭の中でだいぶ補って見ていること気付く。それでも、告白されると泣いてしまう(;_;)3度目の千秋楽は、坂口さんの熱演にまた引き込まれ、クライマックスでやっぱり涙を禁じ得ない。とにかくさわやかに泣けた。演劇としての構成の問題などはあるのだろうけど、小説も含めて十二分に『スキップ』の世界を堪能できたことに感謝。 (★★★★)
  • 沖縄ラーメンズライヴ
    ラーメンズ:
    『沖縄ラーメンズライヴ  サーターアンダギーは見かけのシンプルさの割に名前が長過ぎ  A&Wは貴方と私の略。  ラーメンズにとって沖縄が楽園になるかどうかは客次第』 やっぱり頭の良い人の考えることは面白い。 (★★★★)
無料ブログはココログ